今日の日本の音楽界を見るとき、音楽人口が格段に増え、世界有数の音楽市場を形成するようになったことはまことに喜ばしいことであります。また、その中から多くの優秀な音楽家が国際舞台で活躍し、各種の音楽コンクールにおいてもめざましい成績をおさめていることも頼もしい限りです。
しかしながら、国際コンクールの多くは、ピアノ、ヴァイオリン、声楽を中心としたものでした。近年管楽器のジャンルも取り上げられるようになりましたが、オーボエ単独の本格的なコンクールは、世界でも数えるほどしか存在していません。
私はオーボエという楽器はオーケストラのクォリティを決めると言っても良い程大事な楽器であると思っております。それを、まさに衝撃的に知らされたのは 1954 年、ドイツに留学したときのことでした。それまでの日本においては、ともすれば他の楽器の陰になり、正しい評価がなおざりにされるきらいがありました。それから半世紀たってもなお、オーケストラのなかでも大変重要な役割を持ち、ソロやアンサンブルとしても幅広い可能性を持つこのオーボエという楽器はまだ決して正当に評価されているとはいえません。
財団法人ソニー音楽芸術振興会では、この素朴でやさしい音色をもつオーボエの真価を広め、有能なオーボエ奏者を世界に紹介するために、 1985 年より 3 年毎にコンクールを開催、この度第 9 回を迎えるにいたりました。また、第 8 回の開催から、日本有数の自然に囲まれた町、長野県軽井沢町に開催地を移し、この美しい町に生まれた音楽ホール、軽井沢大賀ホールに世界中から集まる優秀な奏者をお迎えし、軽井沢から世界へ向けて音楽発信をしていきたいと願っております。
最後に当財団の「音楽を通じた国際交流と音楽文化の振興に寄与する目的」のためにこれまで頂きました関係各位のご理解とご支援、ご協力にこの場を借りまして心よりお礼申し上げます。
財団法人ソニー音楽芸術振興会
第9回 国際オーボエコンクール・軽井沢 委員会
会長 大賀 典雄